KAIBOU解剖
素材を、自分の質感チェーンに通すエフェクト。Siren や Onore が生んだクリーンな図形に、ぼかし・粒・版ズレといった「汚し」を与えて、あなたの音色にする。これは信号の最終段。素材を、解剖して、通す。
素材を、通す。解剖
Kaibou(解剖)は"エフェクト"だ。Siren や Onore が生むのはクリーンなベクター。そのままでは整いすぎていることがある。Kaibou は素材を質感チェーンに通し、ぼかし・粒・版ズレといった「汚し」を与えて、体温のある音色にする。
木下の音楽が必ず最後にテープを通すように、Kaibou は図形を通す装置だ。解剖=素材を切り開いて中を見て、自分の質感に組み替える。信号の最終段で、作品に手ざわりが宿る。
質感チェーンに通す。
素材(Siren/Onore の出力や、持ち込んだ画像)をドロップし、質感のチェーンを通す。ぼかし・粒・版ズレ・階調——エフェクトを重ねる順番が、そのまま音色になる。木下のマスタリングの手つきを、画像処理に翻訳している。
点 → 面 → 質感
Kaibou は信号の最終段(エフェクト/質感)。Siren の点、Onore の面を受け取り、質感チェーンに通して仕上げる。音楽のシグナルチェーンと同じ、最後の通し。
名前は、アルバムから。
Kaibou(解剖)は、99LETTERS のアルバム 『解剖図鑑 / Kaibou Zukan』 そのもの——アルバムタイトルであり曲名。Onore(己)、Kaibou(解剖)も同じアルバムの曲名だ。デザインツールである前に、これはひとつの音楽作品の翻訳——楽器の役割を、そのまま画面上の道具に置き換えている。
99letters — テクノ作家 / 木下貴博
99letters は木下貴博(木下スタジオ)の音楽名義。2021年に 99letters 名義へ回帰し、アルバム『解剖図鑑(Kaibou Zukan)』は Bandcamp Daily の Album of the Day に選出。音楽で培った"信号を組み立てる手つき"を、そのままデザインの道具にしたのが SHIAN 志庵——Siren / Onore / Kaibou はその最初の3つ。
※ 木下貴博=滋賀・琵琶湖を拠点とするデザイナー / 体験翻訳家。木下スタジオ(Kinoshita Studio)主宰。