SIREN鳴物
シーケンスが図形を鳴らす、サンプラー型のプラグイン。16ステップに図形を打ち込むと、リズムがそのまま画面のレイアウトになる。これは"音源"の段——質感を与えるのは Kaibou、面を生むのは Onore。信号は、点から始まる。
点を、打つ。鳴物
Siren(鳴物)は"打楽器"だ。鳴物とは打楽器の総称。このプラグインは、シーケンサーの各ステップに図形を割り当て、リズムのパターンをそのまま図形の配置に変換する。打点=点、その連なりがレイアウトになる。
デザインを"作曲"するのではない。もとからそこにあったリズムを、図形で聴かせる。16ステップという制約が、偶然と規則のあいだに面白い配置を生む——ドラムマシンを打つのと同じ手つきで、画面が組み上がっていく。
16ステップ、図形で。
各ステップに図形(丸・矩形・線 ほか)を打ち込む。ステップの間隔・強弱・繰り返しが、そのまま図形の位置・大きさ・密度になる。パターンを回せば、リズムのループがビジュアルのループになる。
点 → 面 → 質感
Siren は信号の最初の段(音源)。ここで打った点を、Onore が持続する面に、Kaibou が質感(ぼかし・粒・版ズレ)に変えていく。音楽のシグナルチェーンと同じ順番で、図形が育つ。
名前は、アルバムから。
Siren(鳴物)は、99LETTERS のアルバム 『解剖図鑑 / Kaibou Zukan』 の9曲目「Siren(鳴物)」から。Onore(己)、Kaibou(解剖)も同じアルバムの曲名だ。デザインツールである前に、これはひとつの音楽作品の翻訳——楽器の役割を、そのまま画面上の道具に置き換えている。
99letters — テクノ作家 / 木下貴博
99letters は木下貴博(木下スタジオ)の音楽名義。2021年に 99letters 名義へ回帰し、アルバム『解剖図鑑(Kaibou Zukan)』は Bandcamp Daily の Album of the Day に選出。音楽で培った"信号を組み立てる手つき"を、そのままデザインの道具にしたのが SHIAN 志庵——Siren / Onore / Kaibou はその最初の3つ。
※ 木下貴博=滋賀・琵琶湖を拠点とするデザイナー / 体験翻訳家。木下スタジオ(Kinoshita Studio)主宰。