ONORE己
波は止まらない。波は線、持続する線は面。7つのオシレータ(波形・倍音・持続・FM・デチューン・PWM・S&H)に、液体金属や3Dの素材エンジンを重ねて、面のグラフィックを生成するシンセ。Siren が点なら、Onore は面。出てくるのは全部ベクター。
波を、面に。己
Onore(己)は"持続音の楽器"だ。Siren が点(打楽器)なら、Onore は面。波は止まらず、線になり、持続する線は面になる。7つのオシレータが、それぞれ違う声で図形の面を生成する。
SHIAN の主力にして、実験場。波形・倍音・FM・デチューンといったシンセの概念を、そのまま図形の生成に翻訳している。ノブを回すと形が折れ曲がり、見たことのない面が立ち上がる——それが Onore の驚き。
7つのオシレータ。
波形・倍音・持続・FM・デチューン・PWM・サンプル&ホールド——7つのエンジンをミキサーで重ね、面を作る。さらに液体金属や3D(レイマーチ)の素材エンジンも。幾何的なものはベクター(パスで作り方が見える)、質感の金属は画像/線画をトグルで選べる。
点 → 面 → 質感
Onore は信号の真ん中の段(シンセ/面)。Siren が打った点を持続する面に育て、その面を Kaibou が質感に変えていく。音楽のシグナルチェーンと同じ順番。
名前は、アルバムから。
Onore(己)は、99LETTERS のアルバム 『解剖図鑑 / Kaibou Zukan』 の曲名「Onore(己)」から。Onore(己)、Kaibou(解剖)も同じアルバムの曲名だ。デザインツールである前に、これはひとつの音楽作品の翻訳——楽器の役割を、そのまま画面上の道具に置き換えている。
99letters — テクノ作家 / 木下貴博
99letters は木下貴博(木下スタジオ)の音楽名義。2021年に 99letters 名義へ回帰し、アルバム『解剖図鑑(Kaibou Zukan)』は Bandcamp Daily の Album of the Day に選出。音楽で培った"信号を組み立てる手つき"を、そのままデザインの道具にしたのが SHIAN 志庵——Siren / Onore / Kaibou はその最初の3つ。
※ 木下貴博=滋賀・琵琶湖を拠点とするデザイナー / 体験翻訳家。木下スタジオ(Kinoshita Studio)主宰。