— 開発日記 / the honest version

デザインは、もう歌っていた。

これは、きれいな設計書じゃない。
曲が完成しない夜と、「作曲じゃなく発見」に辿り着いた話と、
整えるか、正直に鳴らすかの話。
——Figmaプラグイン OtO を作った、本人の裏話。

木下スタジオ · 個人開発 Figmaプラグイン · デザインDAW 99letters · 現役テクノ作家 oto を聴く ↗

design has sound.

日本の街のデザインには、音がある。

昼はデザイナー、夜はテクノ。曲は、完成しない。

昼はデザインをして、夜は 99letters としてテクノを作っていた。でも、曲はいつも途中で止まる。作りかけのプロジェクトだけが増えていく。

デザインは毎日ちゃんと完成するのに、音楽だけ完成しない。ずっと、その二つは別々の自分だと思っていた。

ある日、デザインが歌っていることに気づいた。

Figmaのレイアウトを眺めていて、ふと思った。要素の配置は、もう楽譜みたいだと。横の並びは時間、縦は高さ、大きさは強さ——これ、音じゃないか。

OtOは「作曲」じゃなく「発見(discover)」。あなたのデザインは、最初から歌っていた。それを翻訳して、暴くだけ。
OtO のソニフィケーション図 — フレームが譜面に翻訳される
配置(frame)が、そのまま譜面に翻訳される。
作曲してないのに、デザインは、もう歌っていた。

横=時間、縦=音程、大きさ=音量、余白=休符。

レイアウトの配置を、そのまま音に写す。横に並べれば時間が進み、縦に上げれば音が高くなり、大きい要素は大きく鳴り、余白は休符になる。別のUIを作らず、ボードそのものを譜面にした。

OtO のプラグイン画面 — レイアウトから生成された音楽(デザインDAW)
実際のプラグイン。レイアウトが、ピアノロールとして鳴っている。

整えるか、正直に鳴らすか。

整音(TUNED)は、音程を外さないように丸め、リズムを揃える。誰が鳴らしても気持ちいい。でもこれは入口を下げるための"松葉杖"

生音(RAW)は、整えない。要素の本当の間隔がそのまま"間"として鳴る。歪でも、それがデザインの真実。こっちが OtO の芯だ。

OtO の整音 / 生音 トグル
整音(丸めて気持ちよく)/生音(設計図の、生の鼓動)。

機能では、勝たない。

「Figmaで音を鳴らす」プラグインは、実はもうある。でも「レイアウトを音楽に翻訳する」ものは、見当たらなかった。空白地帯だった。

決めた高機能DAWとして売ると、機能比較になって負ける。だから戦うのは、機能じゃない。

勝てるのは、体験と思想、そして耳。音の良し悪しとグルーヴの説得力は、機能リストには出ない。

最後の堀は、耳だった。

現役のテクノ作家(99letters)が、自分のデザインを音にするために作った——という作家性が乗る。ただのデザイナーの音遊びとは、そこが違う。

日本の街の看板やレイアウトには、音がある。それを聴き取れる耳こそ、いちばん模倣されにくい差だと思っている。

99letters — 木下貴博(現役テクノ作家)
99letters = 木下貴博。雅楽テクノを作る、現役の作家。

Figma Community へ、出す。

「デザインを、聴く」という体験を、世界のデザイナーとエンジニアに届けたい。書き出せば、デザイン画像+30秒のトラックがそのままシェアできる。

琵琶湖のそばで、この母国語みたいな道具を、毎日自分で使いながら鍛えている。あなたのデザインは、もう歌っている。

あなたのデザインを、聴いてみる?

Listen to Your Design →

Figmaプラグイン · デザインDAW · 無料 · design has sound

木下 貴博(99letters)— 木下スタジオ / 滋賀 琵琶湖

書いた人 — 木下 貴博 / Takahiro Kinoshita(99letters)

木下スタジオ(kinoshita studio)代表・木下貴博。現役テクノ作家 99letters。滋賀・琵琶湖のそばで、デザインも音楽も開発もひとりで。
OtO・Mothership・BMBoard・Ateli.er・KODOCO を個人開発。プロフィール → / 設計の話も読む →