Products  /  Case Study

Product Development — Case Study / Experience Translation

Kinoshita Library
本棚は、人格だ。

Individual Development — 木下スタジオ / 木下貴博(滋賀・琵琶湖)

— TYPE

仮想本棚 · Virtual Bookshelf

— PLATFORM

Web App (Single HTML)

— STATUS

Live — 2026〜

建築の詩 デザイン思考 沈黙の世界 余白 森の時間 KINOSHITA LIBRARY Search books by title, author, or AI... AI Search 建築家 ★★★★★ 沈黙 ★★★★☆ 余白の美 ★★★★★ デザインの ★★★☆☆ 光の詩 ★★★★★ — 蔵書数 152 — 未読 38 AI Recommendation 「建築の詩」を読んだなら、次は「光と影」がおすすめです。 Powered by Gemini kinoshita.studio/Library/ — Open Library API + Gemini AI

— Origin / このプロダクトの問い

このプロダクトは
「なぜ、デジタルには本を"所有する"喜びがないのか?」
という問いから始まりました。

Kindleは読書を便利にした。しかし「本棚が語る人格」をデジタルは奪った

01 — Problem

Kindleが奪ったのは、
本棚という人格だった。

Kindleを使っている友人の「本棚」を見たことがあるか?——存在しない。デジタルで本を読むことは、「本を読んだ」という行為を消費に変えた。ページをめくる感覚も、背表紙を眺める豊かさも、積読の罪悪感も——すべてがデータの海に溶けた。

物理の本棚には、語りかけてくる力がある。デザイン書の隣に哲学書が並ぶ、その並びに読んだ人の思考回路が宿る。本棚は「読んだ本のリスト」ではなく、「その人の人格の外化」だ。しかしデジタルはそれを持っていなかった。

本を読む体験は届いていた。
本棚として存在する体験は、デジタルにはなかった。

— 課題 01

所有感がない。Kindleの蔵書一覧は「リスト」だ。本棚の佇まいがない。並べた本が互いに語りかけあう空間がない。本を「持っている」実感が消える。

— 課題 02

蒐集の喜びがない。「この本を棚に加える」という行為がない。本を手に入れる喜び——それはアルゴリズムが「次はこれ」と差し出す体験とは根本的に異なる。

— 課題 03

本棚が思想を語らない。Goodreadsは読んだ本を管理するツールだ。しかし「この本と、あの本が隣に並んでいる意味」を表現する場所ではない。蔵書の文脈が消える。

— 課題 04

発見の仕方が画一化された。Amazonのレコメンドエンジンは「似た本」を差し出す。しかし本との出会いには、意外性と偶然性がある。自分の本棚を眺めながら発見する体験が失われた。

02 — Insight

本棚を眺める行為は、
自分を読む行為だ。

本棚が語りかける——それは「本の内容」ではなく「選んだ自分の思考回路」だ。150冊の本が並ぶとき、その並びはその人の関心のマップになる。Kinoshita Libraryは、この「本棚の人格性」をデジタルに取り戻すために設計された。

届けたい体験は「本棚の前に立つ豊かさ」だった。
届いていた体験は「本のデータベースを眺めること」だった。

窓から差し込む光が本棚を照らす——そのシミュレーションを実装したのは、「本棚は場所だ」という確信からだ。場所には光があり、時間があり、佇まいがある。Open Library APIで世界中の本を探索し、Gemini AIが読書体験をナビゲートする。しかしすべての設計の核心は「この本棚が自分のものだ」という実感だった。

— Persona Design

PERSONA DESIGN — KINOSHITA LIBRARY PERSONA A ヘビーリーダー 30〜45歳 / デザイン・哲学・建築 GOAL 蔵書を「見せられる形」で管理したい 本棚が自分の思想を語ってほしい PAIN Goodreadsは管理ツールで冷たい 本棚の「佇まい」がデジタルにない KEY EXPERIENCE 本棚を眺めて自分を再発見する感覚 並べ替えながら思考を整理する喜び → ドラッグ並べ替え機能の核心ユーザー PERSONA B 読書初心者 20〜30歳 / 本を読み始めたい GOAL 「次に読む本」を誰かに決めてほしい 自分の本棚を持ちたい・育てたい PAIN どの本から読めばいいかわからない Amazonは選択肢が多すぎる KEY EXPERIENCE AIが「あなたの棚に合う本」を提案 本棚が育っていく達成感 → Gemini AI推薦機能の主要ユーザー PERSONA C 本棚コレクター 25〜50歳 / 蒐集が趣味 GOAL 蔵書をアーカイブとして整備したい 本の検索を瞬時にしたい PAIN 物理本棚は埃がたまる・場所を取る デジタル管理ツールが無機質すぎる KEY EXPERIENCE Open Libraryで世界中の本を検索 棚の光演出で「本棚の場所感」を得る → Open Library API・窓光機能 * 木下スタジオ / Kinoshita Studio — Persona Design (Kinoshita Library)

3ペルソナの共通課題:「デジタルに本棚の"場所感"がない」。AIレコメンドと窓の光演出がそれぞれの課題に応答する。

— Customer Journey

CUSTOMER JOURNEY — KINOSHITA LIBRARY STAGE 本に出会う 棚に加える 棚を眺める 並べ替える 棚が自分を語る ACTION Open Library検索・AI提案 ワンタップで蔵書登録 窓の光が差し込む棚 ドラッグで順番を変える 蔵書数・読書傾向が見える EMOTION 出会いの興奮 加える充実感 眺める豊かさ 整理する喜び 棚が人格になる DESIGN OPP. 世界中の本を検索可能 ワンクリック登録 窓光シミュレーション ドラッグ並べ替え AI文脈推薦 * 木下スタジオ / Kinoshita Studio — Customer Journey (Kinoshita Library)

「本棚が自分を語る」という到達点に向けて、出会いから整理まで全ステップに体験が設計されている。

03 — Experience Strategy

「本棚という場所」を
デジタルに設計する。

Experience Strategyの核心は「本棚は場所だ」という命題だった。本棚には4つの体験軸がある——所有感(Ownership)・発見(Discovery)・蒐集(Curation)・親密性(Intimacy)。すべての設計判断がこの4軸に準拠した。

— 01

OWNERSHIP

「この本は自分のものだ」という実感。棚に並べる・並び替える・光を当てる——所有の儀式が本との関係を深める。

— 02

DISCOVERY

Open Library API+Gemini AIで「意外な本との出会い」を設計する。アルゴリズムではなく、自分の棚の文脈から次の一冊が生まれる。

— 03

CURATION

本を並べる行為=思考の整理。ドラッグで並べ替えるとき、読んだ人は無意識に自分の知識地図を更新している。

— 04

INTIMACY

窓の光シミュレーション。本棚は時間によって表情を変える。光は空間と本との親密な関係を演出する最小の装置だ。

— Brand Experience Framework

BRAND EXPERIENCE FRAMEWORK — KINOSHITA LIBRARY 01 — VISION 「本棚は人格だ。デジタルにその場所を作る。」 02 — EXPERIENCE AXES Ownership · Discovery · Curation · Intimacy OWNERSHIP DISCOVERY CURATION INTIMACY 03 — TOUCHPOINTS 本棚UI · 窓の光 · ドラッグ並び替え · AI検索 · Open Library 本棚ビジュアル 窓の光演出 ドラッグ並び替え Gemini AI推薦 Open Library API 04 — DESIGN PRINCIPLES 1 HTML · 依存ゼロ · 窓の光 · ローカル保存 · AI発見 * 木下スタジオ / Kinoshita Studio — Brand Experience Framework (Kinoshita Library)

Vision → Experience Axes → Touchpoints → Design の4層構造で「本棚という場所」をデジタルに設計した。

04 — Solution Design

1つのHTMLファイルで、
豊かな本棚を実装する。

Kinoshita Libraryは1ファイルのHTMLで完結する。外部ライブラリなし、ビルドなし、サーバーなし——ブラウザだけで動く。それが「所有感」の技術的表現だ。誰かのサービスに依存することなく、本棚は自分のものとして存在する。

— Open Library API

世界中の本を検索する

Open Library APIにより数百万冊の本を検索可能。ISBNから表紙画像を自動取得し、背表紙として棚に並べる。物理本棚と同じ密度の情報が、デジタルに宿る。

— Gemini AI Integration

棚の文脈から次を見つける

Gemini AIが自分の蔵書リストを読み込み、「この本たちを持つ人が次に読むべき本」を提案する。アルゴリズムではなく、読書体験の文脈から発見が生まれる。

— Drag & Drop Sort

並べる行為が思考を整理する

本をドラッグして並び替える。その瞬間、読んだ人は意識的あるいは無意識に「この本とあの本の関係」を考えている。並べ替えは思考の整理行為だ。

— Window Light Simulation

光が本棚を「場所」にする

時間帯に応じた窓の光が本棚を照らす。朝の柔らかな斜光、午後の直射光、夕暮れのオレンジ——光の演出が本棚を「データベース」ではなく「場所」に変える。

— Technical Architecture

Frontend

Vanilla JS
CSS Grid
1 HTML File

API

Open Library
Gemini AI
ISBN Lookup

Storage

localStorage
Local-first
No Account

Dependency

ZERO
No Build
No Server

05 — Results

本棚が、
人格を語り始めた。

Kinoshita Libraryをリリースしてから、自分の読書習慣が変わった。本を読む前から棚に加え、並び替えながら「この本はどこに置くべきか」を考える。本との関係が変わった——本は消費するものではなく、棚に住まわせるものになった。

150+— 登録蔵書数

Open Library APIから取得した表紙画像付きの蔵書。物理本棚と同等の密度で並ぶ。

1— ファイル数

1つのHTMLファイルで完結。依存ゼロ・ビルドなし・サーバーなし。本棚は完全に自分のものだ。

— AI推薦の可能性

Gemini AIが蔵書の文脈を読み込み、「次に読むべき本」を提案する。棚が育つほど推薦の精度が高まる。

「本棚を開いた」——このプロダクトで最も大切にしたコピーだ。
本棚は公開するものではなく、一緒にいるものだ。

— Studio Note

Kinoshita Libraryは、木下スタジオの「体験翻訳論」を最も個人的な形で実装したプロダクトです。デザインの本・写真集・哲学書・音楽論——スタジオの視点で選んだ150冊以上が並ぶこの仮想本棚は、木下スタジオそのものの人格を語っています。

「本棚は人格だ」——この命題が、Kinoshita Libraryの設計のすべてを決めました。

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