日本語を素材として扱い、触れて動くタイポグラフィをつくる。操作そのものが表現になる、実験的なインタラクション。
作字するためだけに作った道具。ひとつ作った共通パーツを全ての字に効かせ、並べて初めて見える字間のために枡ごと動かせる。
累 RUI の升目を1文字ぶんの箱に切り、そのまま輪郭にして本物の .ttf を書き出す。
素材ごとに色を直さない。空気と灯は版面が持ち、置いた素材が奥行きひとつでそれを着る。
版面の上に経路を引き、文字をその経路に沿わせる組版の道具。文字が読むためでなく、面を埋めるための材料として扱われる。
作った画像や動画を放り込んで、1本の動画や GIF にする道具。他が「作る」ための道具なのに対して、これだけが「出す」ための道具。
街の看板に自分の作品を嵌める。四隅を合わせるだけで、斜めでも奥行きがあっても貼られる。
作ったものを、街・布・箱・端末にまとわせる。貼るのではなく、下の写真のしわと光を借りる。
出てくるのは【字そのもの】。作った字は組んで使える。
真っ黒の紙にひと筆ずつ描いて作字する道具。描いた線は反応拡散で粒立ち、そのまま塗りにも輪郭の線にもなる。
字の輪郭に沿って丸を等間隔に押して、縁が玉でできた字を作る道具。画素を持たず輪郭を撫でる線なので、どんな大きさで出しても玉が痩せない。
幅のある刃を寝かせて骨に沿って引く。太さは作っていない ── 向きと刃の角度だけで太る。
点字と記号だけで読めない題をつくる。検索されないのに、一目でそれと分かる。
大きな字をマス目に落とし、空いた所を長方形に切って別の字を詰める。字が升目の形を着る。
字は升目の絵にして固定し、動かすのは升目の方。同じ絵から何通りもの字が出る。
崩しは字ごとに決めない。1本のつまみが全部の字に同じ規則で掛かる ── だから書体になる。
輪郭を崩すのではなく、骨から書く。曲がる所は遅くなって太り、まっすぐな所は速くて細る。
入口は字だが、出てくるのは【絵】。読ませるためでなく、面を作るために字を使う。
マス目が先にあって、その一つずつに中身を選んで置く。組んだ一枚をそのまま素材に戻せるので、何段でも入れ子にできる。
日本語の字を8bitのドットに落とし、1タイル=1つのグラデーションの塊として組み直す。画の向きがそのまま波の流れになる。
正面から見ればただの一文が、回すと漢字・かな・カナの3枚の地層に剥がれる。層ごとに違うエンジンをかけられる組版の楽器。
文字を一枚の連続した面(メッシュ)として捉え、うねり・ねじれ・せん断で変形させる。タイル単位ではなく連続して歪む。
日本語の字を8bitのドットに落とし、その粒を積んで立体にする道具。画の向きが粒を倒す向きに、太さがそのまま盛り上がりになる。
文字を細い板に分けて、その1枚ずつにグラデーションを刷る道具。ストローク1本がそのまま1枚の板になり、金属の管が並んで見える。
字を升目に落として、升目より大きい粒を置く。はみ出して重なったところが絵になる。中身は色・縞グラデ・素材から選べる。
引いた線からの距離を粗い升目で読み、段に丸める。輪郭が階段状にずれ、そこに粒がのる。
同じ字を道に沿って何百枚も重ねると、重なりが厚みになる。曲げた所で奥の字が輪になって出る。
字を輪郭からの距離に変えて一度だけ切る。帯が渡ると、通り過ぎた後ろで別の字になっている。
写真を入れて、別の絵にして出す。網・粒・隙間・走査線。
画像と文字を灰色のまま重ねて、いちばん最後に一度だけ網で白黒に落とす。層ごとに落とすと濁るので、落とすのは最後の一回だけ。
写真から色だけを採り出して、帯のグラデーションに変える道具。途中で止めると、写真が残っている部分と帯になった部分が同居する。
輪郭を何重にも折り重ねて、重なったところで白と黒を入れ替える道具。1960年代の版下のような硬い干渉が出る。
点1つを単位にして、写真も文字も網に落とす道具。どれか一枚を「形」に選べば、その形の中だけに網が敷かれる——文字の中に写真を入れられる。
写真を升目と色数だけに落とす。ビット感の正体は、形ではなく色数が少ないこと。
写真を絵文字で組み直す。出てくるのは絵であり、同時にそのまま貼れる文字。
濃さを粒の数だけで作る。大きさは変えない ── だから網点にならず、吹き付けたように散る。
網点を止めずに太らせる。粒は溶け合って面になり、絵になるのは残った隙間の方。
1本の線でしか読まない。読む速さがそのまま形になる ── 止めれば帯、戻れば鏡。
走査線が刷っている間に、元を手で動かす。出てくるのは絵ではなく、手の動きの記録。
写真をぼかすのではなく、平らな面に割って選んだ面を消す道具。足すのではなく捨てる場所を選ぶと、写真が絵の具になる。
つまみではなく【手】が入口。線を引く・筆で塗る・紙に灯を当てる。
引いた線がそのまま彫られて立ち上がるグラフィック楽器。押し出し・刻み・滲みを7段のチェーンで組む。操作は「線を引く」だけ。
縁のちぎれた紙を何枚も重ねて皺を寄せ、その裏に灯を置く道具。グラデーションは一つも使っていない。
筆で塗ると、塗ったところが玉の粒で埋まる道具。筆は場に溜めるだけで、粒に刷るのはいちばん最後。だから塗るたびに色を選べる。
カメラに写った身体そのものが入口になる。出口はこれまでの道具の表現。
webカメラが顔・手・全身を認識し、身体そのものが楽器になる。口を開けると顔から棘が爆発してFXが立ち上がる。
カメラに写った自分を通して、これまで作ってきた道具の表現が出るもの。身体が入口で、道具が出口。映像は端末から出ない。
打った日本語を、手が走る速さで書く道具。曲がる所で遅くなり、終筆へ長い尾を引く。通すものを筆にすると毛先まで細り、字と字が細い渡りでつながる。
字を描くのではなく、板を刳(えぐ)って字にする道具。打った字を一枚の板に閉じ、ふところと字間を先の尖った葉に差し替えると、残った方が字になる。
写真と文字を、一度 紙になって光で読み取られた質感にする道具。複写・フィルム・新聞。白を255で止めない、版がずれる、網点、紙の繊維、粒。汚すのではなく履歴を足す。
同じ版を何度も刷る道具。回を重ねるほどインクが減り、紙の目から擦れていく。
1曲かけて、字を置き、切って、白で消す。手の工程で、1曲に1枚。