思考をキャンバスに置く。
BMBoardをつくった理由。

デザイナーとエンジニアが同じキャンバスを見る場所が、この世にない——そのことに気づいた夜から、このプロダクトは始まった。

Black Mirror Board — 木下 貴博が作ったキャンバスツール / 木下スタジオ / 滋賀

Netflixで「ブラックミラー」を見ていた夜、ふと思った。

「なぜ、デザイナーとエンジニアは
同じ画面を見ていないのか。」

デザイナーはFigmaで考える。レイヤー、コンポーネント、整列。
エンジニアはターミナルで考える。コマンド、出力、構造。

ふたつの思考様式は、別々のツールの上にある。
その間に落ちているアイデアがある気がした。

ドラマ「ブラックミラー」は、テクノロジーと人間の関係を問う。
画面の向こうに映るのは、自分自身だ。

キャンバスも同じだと思った。
何かを描くとき、画面に映るのは思考そのものだ。

だからBlack Mirror Boardと名付けた。

設計でこだわったのは、シンプルさだ。

フレームワークなし。ライブラリなし。HTMLファイルひとつ。ブラウザだけで動く。

なぜか。余計なものが入ると、思考が重くなる。
道具は軽いほうがいい。白紙に近いほうがいい。

「魔法(spell)」という概念。
キャンバスに描いた図形が、
ターミナルのコマンドに応える。

コマンドを打つと、キャンバスが動く。
描くことと、動かすことが、同じ場所で起きる。

デザイナーがコードを書かなくていい。
エンジニアがデザインツールを開かなくていい。
ふたりが同じキャンバスを見ながら、同じ言語で話せる。

それが魔法だと思う。

機能を削ることは、追加することより10倍難しい。「これも必要かも」という誘惑に負け続けると、いつの間にかファイルサイズが膨らむ。499KBというサイズは、削った結果だ。

制約は敵じゃない。
「1ファイルで全部入れる」という制約が、
依存を持ち込まない習慣を鍛えてくれた。

ランタイムコストへの敏感さ、ブラウザAPIの理解の深さ——
全部、この制約から生まれた。

琵琶湖のそばで、このツールを毎日使いながら作り続けた。

v1.3で、GIFキャンバス・整列機能・テンプレート・パレット・自動テーマが加わった。
機能は増えたが、哲学は変わっていない。

依存ゼロ。HTMLひとつ。ブラウザだけで動く。

Product Huntに出た。世界中のデザイナーとエンジニアに届いた。
「こんなツールを待っていた」という言葉が、一番の報酬だった。

作り続けるのは、まだ届いていない人がいるからだ。
滋賀から、ブラウザひとつで、世界へ。
木下 貴博 — 木下スタジオ代表 / 滋賀 琵琶湖にて

木下 貴博 / Takahiro Kinoshita

Designer & Developer — 木下スタジオ / kinoshita studio · 滋賀

滋賀・琵琶湖を拠点に活動するデザイナー・プロダクト開発者。
UX/UIデザイン・アートディレクション・個人開発まで、ひとりで担う。
BMBoard・Ateli.er・KODOCOを個人開発。

木下 貴博について →
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"Where Designer's Intuition meets Hacker's Command."
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