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Product Development — Case Study / Experience Translation

日めくり献立
選ばない、という自由。

Meal Planner / Local-first — 木下スタジオ / 木下貴博(滋賀・琵琶湖)

— TYPE

献立アプリ · Meal Planner

— PLATFORM

Web App (Single HTML)

— STATUS

Live — 2026〜

日めくり献立 2026.06 Week 2 夕食 豚の生姜焼き ★ お気に入り カレー ★ お気に入り 野菜炒め — random TODAY 鶏むね肉の 照り焼き パスタ ★ お気に入り から揚げ ★ お気に入り 昼食 冷やし中華 お気に入り献立 12 登録済み 豚の生姜焼き 週1〜2回 ★ 優先度高 カレーライス 週1回 ★ 優先度高 鶏むね肉の照り焼き 週1回 ★ 優先度高 パスタ(トマト) 週1〜2回 中 優先度 から揚げ 隔週 中 優先度 + 献立を追加する kinoshita.studio/himekuri/ — Local-first / No cloud / No account

— Origin / このプロダクトの問い

このプロダクトは
「なぜ、夕食を決めるだけでこんなに疲れるのか?」
という問いから始まりました。

クックパッドは選択肢を増やした。しかし必要だったのは「今日の答え」だった

01 — Problem

クックパッドが解決したのは、
「選択肢の多さ」だけだった。

仕事から帰って、疲れた体で「今日何食べる?」と考える時間。クックパッドを開けば何万ものレシピがある——しかしそれは「何を作るか」という決断をより複雑にするだけだ。選択肢が増えるほど決断疲れが起きる。これを心理学では「決定疲労(Decision Fatigue)」と呼ぶ。

献立の問題は「レシピが見つからない」のではない。「何を作るか決める認知負荷が毎日発生する」ことだ。好きな料理は決まっている。家にある材料も大体決まっている。それなのに毎日ゼロから考えている——このズレが、日々の疲弊を生んでいた。

クックパッドが届けた体験は「無限の選択肢」だった。
必要だったのは「今日の答えを一つ出してくれること」だった。

— 課題 01

選択肢の洪水が決断を疲弊させる。クックパッドに「今日の夕食」と入力しても5万件のレシピが出てくる。多すぎる選択肢は「選ぶ喜び」ではなく「選ぶ義務」を生む。

— 課題 02

好きな料理を繰り返す設計がない。家庭の食卓は「好きなもの」を繰り返すリズムで成り立っている。しかしどのアプリも「新しいレシピを発見させる」ことに最適化されている。

— 課題 03

「今日の文脈」を読まない。疲れた日・元気な日・家族が多い日・一人の日——献立はその日の文脈によって変わる。しかし情報サービスはその文脈を読まない。

— 課題 04

プライバシーへの不安。「この家族が何を食べているか」というデータはクラウドに上げたくない。食事はプライベートな行為だ。データはデバイスの外に出てほしくない。

02 — Insight

「好きなものを繰り返す」が、
最強の献立設計だ。

日本の家庭料理を観察すると、実は2週間でローテーションする料理は10〜15品程度だということがわかる。カレー・から揚げ・パスタ・生姜焼き——「また同じ」ではなく「また食べたい」という料理がある。日めくり献立はこの「お気に入りを中心に据える」という洞察から設計された。

「新しい料理を発見する」ではなく、「好きな料理のリズムを作る」。
その違いが、献立体験を根本から変えた。

お気に入りの献立を登録し、優先度と頻度を設定する。週の始まりにアプリが「今週のリズム」を提案する——選ぶのではなく受け取る。もちろんその日の気分で変更できる。しかし「考えなくていい日」が増えることで、台所に向かうエネルギーが変わる。

— Persona Design

PERSONA DESIGN — 日めくり献立 PERSONA A 共働き夫婦 30〜40歳 / 子育て中・時間なし GOAL 「今日何にする?」の時間を減らしたい 子供が喜ぶ献立を繰り返したい PAIN 仕事後の献立決めが毎日つらい クックパッドは選択肢が多すぎる KEY EXPERIENCE 週初めに1週間の献立が決まる安心 買い物リストが自動で整理される → 週間カレンダービューの核心ユーザー PERSONA B 一人暮らし社会人 25〜35歳 / 自炊習慣を作りたい GOAL 自炊を「習慣」として続けたい 食材の無駄を減らしたい PAIN 「何作ろう」で思考が止まり外食に 料理バリエーションが広げられない KEY EXPERIENCE お気に入りの定番をローテーション 「今日はカレーの日」という安心感 → お気に入り登録機能の主要ユーザー PERSONA C プライバシー重視派 30〜50歳 / データを外に出したくない GOAL 食事データをクラウドに上げたくない シンプルで余計な機能がないアプリを PAIN レシピアプリは広告・サブスクが多い 家族の食事がデータになる違和感 KEY EXPERIENCE 完全ローカル・アカウント不要 広告なし・サブスクなし → local-first・データ主権 * 木下スタジオ / Kinoshita Studio — Persona Design (日めくり献立)

3ペルソナの共通課題:「献立決めの認知負荷から解放されたい」。「新しいものを発見する」ではなく「好きなものを繰り返す自由」が核心。

— Customer Journey

CUSTOMER JOURNEY — 日めくり献立 STAGE 週初めの設定 今日の献立を確認 買い物へ 調理する 食卓のリズム完成 ACTION お気に入り登録・優先度設定 アプリが「今日はこれ」を提示 必要材料が一覧で分かる 決めた献立を作るだけ 来週も同じリズムが来る EMOTION 一度だけ考える 今日悩まない安心 買い物がスムーズ 台所の気持ちが楽 リズムが「日常」になる DESIGN OPP. お気に入り登録機能 日めくり表示・1答え 材料一覧の自動生成 シンプルな変更機能 週間リズム記憶 * 木下スタジオ / Kinoshita Studio — Customer Journey (日めくり献立)

週初めに一度だけ考えれば、あとは「今日はこれ」を受け取るだけ。決断疲れをゼロにする設計。

03 — Experience Strategy

「選ばない自由」を
設計する。

日めくり献立のExperience Strategyは4つの軸——無決断(No-decision)・リズム(Rhythm)・安心(Comfort)・プライバシー(Privacy)。「新しいものを発見させる」設計を完全に排除し、「今日の答えを渡す」設計に純化した。

— 01

NO-DECISION

「今日何にする?」という問いに、アプリが答える。ユーザーは選ばない——受け取る。決断疲れが消えることで、台所への一歩が軽くなる。

— 02

RHYTHM

お気に入りを軸に、週単位のリズムが生まれる。「月曜はカレー・木曜は生姜焼き」というパターンが習慣化すると、食卓が「場所」になる。

— 03

COMFORT

好きなものを繰り返す喜び。「また同じ」ではなく「また食べたい」。家庭料理の本質は「安心できる味」にある——その設計を技術が支える。

— 04

PRIVACY

食事データはデバイスの中だけ。アカウントなし・クラウドなし。「家族が何を食べているか」はプライベートな情報だ——localStorage だけで完結する。

04 — Solution Design

お気に入りを登録するだけで、
週が動き出す。

日めくり献立の設計は「引き算」だ。献立管理アプリが持つべきでない機能——レシピ検索・カロリー計算・食材在庫管理——をすべて削除した。残るのは「お気に入りの登録」と「今日の答えを出すこと」だけだ。

— Favorites First

好きなものから始める

まず好きな料理を登録する。優先度(高・中・低)と頻度(週1〜週2・隔週)を設定するだけ。「新しい料理を発見する」のではなく「すでに好きな料理を整理する」ことがスタートポイント。

— Daily Reveal

「今日はこれ」を日めくりで

日めくりカレンダーのように、今日の献立が一枚めくれて現れる。週単位で自動配置されたお気に入り献立が、何も考えなくても「今日の答え」として目の前に現れる。

— Local-first Storage

データはデバイスの中だけ

すべてのデータはlocalStorageに保存される。サーバーなし・クラウドなし・アカウントなし。「何を食べているか」という家族のプライベートなデータは、デバイスから出ない。

— Rhythm Memory

週のリズムが自動的に育つ

使い続けるほど、アプリが「この家族の週のリズム」を学習する。月曜の重さ・金曜の明るさ・週末の余裕——文脈を読んだ献立配置が、時間とともに精度を上げる。

05 — Results

「今日何にする?」が、
消えた。

日めくり献立を使い始めてから、夕食の準備に向かうエネルギーが変わった。「何作ろう」という問いが消え、「今日はカレーの日だ」という安心感で台所に立てるようになった。献立の設計が、食卓の文化を変えた。

0— 毎日の献立決め時間

週初めに一度だけ設定すれば、あとは「今日の答え」を受け取るだけ。決断疲れがゼロになる。

— お気に入りの繰り返し回数

同じ料理を繰り返すことが「豊かさ」になる。好きな料理のリズムが、食卓を「場所」に変える。

1— ファイル数

1HTML・依存ゼロ・アカウントなし。食事データは完全にデバイスの中だけ。プライバシーが守られる。

「今日何にする?」——この問いを消すことが、日めくり献立の設計目標のすべてだった。

— Studio Note

日めくり献立は、木下スタジオが「生活の体験翻訳」として設計したプロダクトです。「献立を考える認知負荷」というズレは、誰もが毎日経験しているにもかかわらず、解決されていなかった。

「好きなものを繰り返す自由」——この命題が、設計のすべてを決めました。クックパッドとは逆の方向へ、引き算だけで設計したプロダクトです。

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ENOUGH — 数字を隠すより、問いを置く。 →