CASE 04 — Music / Sound

99LETTERS

雅楽テクノ

Ancient court music translated into electronic rhythm.
千年の音が、テクノになる。

SCROLL

空気感という体験は、
デザインだけではつくりきれない。
それを満たすのは、音楽だ。

木下スタジオがデザインで設計しているのは、いつも「体験」だ。色・余白・タイポグラフィは、その体験の輪郭をつくる。けれど、その場に流れる温度や時間の速度——空気感そのものを最も直接的につくり出せるのは、音楽だと考えている。視覚で整え、聴覚で満たす。99LETTERSは、その確信から生まれた音楽プロジェクトであり、音楽もまたUXデザインの一形態であることの実証でもある。

— 01   About

雅楽とテクノの間に、翻訳がある。

99LETTERSは、木下貴博による電子音楽プロジェクト。1000年以上の歴史を持つ日本の雅楽を、テクノという現代のリズム構造へ翻訳する試みとして生まれた。

笛、篳篥、琵琶——古典楽器の音色は、電子的な反復と衝突し、時に溶け合う。これは民族音楽の引用ではなく、体験の翻訳だ。

伝統音楽は保存されることが多いが、体験として更新されることは少ない。このプロジェクトでは、雅楽を過去の文化としてではなく、現代の体験として再構成することを試みている。

多くの融合音楽は「音」を組み合わせる。このプロジェクトが翻訳しているのは音ではなく、構造と時間感覚だ。雅楽が持つ空間の広がり方・音の持続の仕方・沈黙の位置——それらをテクノの文法に移植している。

これは楽曲ではなく、
体験の構成である。

Phantom Limb  /  Disciples  /  Cudighi Records
Resident Advisor  /  Bandcamp Daily  /  NTS Radio

— Translation Method / 翻訳の構造

空間 → レイヤー 雅楽の合奏構造——複数の楽器が異なる速度で同時進行する空間性を、電子音楽の重層的なレイヤーへ翻訳する。
持続音 → ドローン 笙が持つ和音の持続——「息の音楽」としての引力をドローンサウンドに変換し、テクノの中に静止した時間を埋め込む。
間 → リズム削減 雅楽における「間(ま)」——音と音の間の沈黙をリズムの欠如として実装。4/4の中に意図的な空白を作ることで、時間感覚を変容させる。
木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)制作:99LETTERS live

— LIVE PERFORMANCE

— 02   Discography

木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)制作:IBUKI / 息吹

— 01

IBUKI

息吹

Cudighi Records 2021.09.17 Digital
木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)制作:Kaibou Zukan

— 02

Kaibou Zukan

解剖図鑑

Disciples 2022.11.11 2xLP / Digital
木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)制作:Zigoku / 地獄

— 03

Zigoku

地獄

Phantom Limb 2023.11.10 LP / Digital
木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)制作:99LETTERS live performance LIVE
木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)制作:99LETTERS DJ set DJ SET

— 04   Atmosphere

空気感は、UX体験である。

良い場所に入った瞬間に感じる「ちょうどよさ」。言葉にする前に、もう体が分かっている——あの感覚を、木下スタジオは空気感と呼んでいる。それはUI/UXでいう「第一印象の0.1秒」と同じものだ。情報を読む前に、人はその場の空気を受け取っている。

デザインは、その空気感を視覚から設計する。だが視覚だけでは届かない領域がある。温度、時間の流れ方、沈黙の置き方——身体で感じる質感だ。音楽は、それを聴覚から直接つくる。BPMは時間の速度を、音色は温度を、間(ま)は余白を決める。雅楽テクノで翻訳しているのは旋律ではなく、この空気感の構造そのものだ。

デザインが輪郭を引き、
音楽が空気を満たす。
どちらも、同じ「体験設計」だ。

— Design × Sound

この視点は、木下スタジオのデザインワークと地続きにある。Webサイトやブランドの体験設計でも、最終的に問うているのは「どんな空気が流れているか」だ。音楽はその問いを、最も純度の高いかたちで実験する場になっている。

— 05   Experience Quality

音楽は耳で聴くものではない。
体験として、感じるものだ。

— Sound

音の質感

古典楽器の倍音成分を保持したまま電子化する。「本物らしさ」ではなく「記憶の中の音」として設計している。

— Timing

時間の感覚

テンポを持ちながら、時間が引き伸ばされる感覚。雅楽が持つ「急がない時間」をBPMの中に埋め込む。

— Tone

トーンと温度

冷たくない電子音。有機的な揺らぎと摩擦を残すことで、機械的な完璧さより人の手の温度を優先する。

Experience Quality とは →

— 06   Press / Media

Resident Advisor

Featured coverage of 99LETTERS and Gagaku Techno.

Bandcamp Daily

Featured in Bandcamp Daily editorial coverage.

NTS Radio

Broadcast play history on NTS Radio.

— NEXT PROJECT

BIWAKO SILENCE →