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インターフェースの体験 — Makafushigi

音楽制作ツールのUXを、クラウドで再設計する

2026.03 Interface

作ることに集中したいのに、ファイル探しに手数を奪われる。音楽制作の現場で繰り返し起きている損失だ。これは音楽制作ツール「Makafushigi」のUIデザイン研究だ。ファイル管理・プロジェクト管理・チーム共有という3つの層を、DAW(デジタル音楽制作ソフト)的なインタラクションと組み合わせ、ひとつのクラウドUIとして設計し直した。あわせてダークモード対応のデザインシステムも並行して開発している。

この研究を一言でいうと──ファイル・プロジェクト・チームの3層を、DAWの手つきのままひとつの面で扱い、作り手の集中を守る設計。

出発点:制作の道具が、管理の道具に負ける瞬間

音楽制作の現場には、決まった損失がある。作ることに集中したいのに、ファイルを探す・バージョンを確認する・誰かと共有する、という「制作以外の作業」に手数が奪われていく。データはローカルとクラウドに散らばり、最新版がどれか分からなくなる。道具が、制作の邪魔をしてしまう瞬間だ。Makafushigi は、その手数を削るところから設計を始めた。

設計の核心:3層を、ひとつの面で扱う

整理の軸として置いたのは、ファイル管理・プロジェクト管理・チーム共有という3つの層だ。普通ならそれぞれ別画面に分かれてしまう機能を、Makafushigi ではできるだけ同じ面の上で行き来できるようにした。ファイルはプロジェクトに属し、プロジェクトはチームに開かれている——その入れ子の関係を、画面の切り替えより、深さの移動として感じられるように設計した。

道具が信頼されるのは、機能の数より、手数の少なさだ。
——制作に戻るまでの距離を、できるだけ短く。

DAW的なインタラクションを、クラウドに持ち込む

音楽を作る人にとって、DAWの操作感はすでに身体に染み込んでいる。だからクラウドUIをゼロから発明せず、すでに馴染んでいるDAW的なインタラクションを、クラウドの文脈に翻訳して持ち込む方針を取った。学び直すコストを払わせない。新しい場所でも「いつもの手つき」で動けることが、ツールへの安心につながる。

並行して育てる、ダークモードのデザインシステム

制作は、長時間・夜・薄暗いスタジオでも行われる。だからダークモード対応は後付けにせず、最初から前提に置いた。色・余白・コントラストのルールをデザインシステムとして言語化し、ライトとダークの両方で破綻しないよう並行して育てている。同じコンポーネントが、明るい場所でも暗い場所でも同じ意味を伝えられること。それが信頼の土台になる。

Makafushigi — 音楽制作クラウドUIの設計
— Makafushigi / Cloud UI for Music Production

結論:UXは「機能の地図」ではなく「集中の保護」

制作ツールのUXは、機能を並べた地図を作ることではない。本質は、作り手の集中をどれだけ守れるかにある。管理は静かに背景へ退き、制作だけが手前に立つ。その関係を設計できたとき、ツールはようやく道具になる。

あなたの制作で、いちばん手数を奪っている「制作以外の作業」は何ですか。

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