GRAPHIC DESIGN / PHOTOGRAPHY — 05
Design — 木下スタジオ / 木下貴博(滋賀・琵琶湖)
製造業 / 会社案内・印刷物デザイン
— Overview
ものづくりの誠実さを、紙の上に置く。
有限会社アワパックの会社案内デザイン。工場の現場写真を縦に並べたビジュアルと、余白を活かしたタイポグラフィで、製造業の現場に宿る誠実さと技術の確かさを表現した。飾らない、削ぎ落とした一冊。
— 01 課題
製造業の会社案内は往々にして、スペックと実績の羅列になりがちだ。しかしアワパックの強みは数字ではなく、現場の職人たちの姿勢と技術への誠実さにある。それをどう視覚化するか。カメラを持って現場に入るところから始めた。
数字より、現場の空気が
信頼を伝える。
スペック羅列型の会社案内からの脱却
製造現場のリアルな空気感をどう紙に宿らせるか
写真・テキスト・余白の三要素のバランス設計
— 02 設計
写真はすべて現場で撮影。加工を最小限に抑え、作業する手・並ぶ製品・光が差し込む工場内部をありのままに収めた。縦に並べることで、製造プロセスの時系列と職人の流れを視覚的に表現。テキストは余白の中に静かに置いた。
① 現場撮影
加工しない誠実さ
スタジオ撮影ではなく現場撮影。照明も最小限。ありのままの現場が持つ力を信頼する。
② 縦構成
時間の流れを縦に
受注から製造・出荷まで。縦に並ぶ写真が製造プロセスの流れを暗示する構成。
③ タイポグラフィ
文字は主張しない
Noto Sans JP weight100。会社名・連絡先・一言メッセージのみ。写真の力を殺さない。
④ 余白設計
呼吸の余白
情報ページであっても余白を手放さない。余白が「丁寧さ」を語る最大の要素。
⑤ 印刷仕様
紙質が誠実さを伝える
マットコート紙を選択。光沢で華やかに見せるより、手に取ったときの落ち着きを優先。
— 核心
引き算の信頼
飾らないことが最大の誠実さ。デザインが引いてはじめて、現場の力が前に出る。
— 03 成果
完成した会社案内は、営業訪問時に手渡す「最初の体験物」として機能している。カタログとしてではなく、会社の姿勢を物質化したものとして。受け取った取引先から「こういう会社だとわかった」という反応が返ってきた。
スペック説明より先に会社の誠実さが伝わる設計を実現
写真ディレクションから印刷まで一貫したアートディレクション
引き算デザインが製造業のブランド価値を底上げした
— Studio
木下スタジオ(Kinoshita Studio)は、滋賀県・琵琶湖を拠点に活動するデザイナー木下貴博のスタジオです。Webデザイン・UX/UIデザイン・アートディレクション・グラフィックデザインまで、一人で設計から制作・ディレクションを一貫して担当します。
本案件は グラフィックデザイン · 滋賀エリア の仕事です。「届けたい体験と届いている体験のズレを揃える」を核心に、地域の企業・全国のクライアントのビジョンを体験に翻訳しています。