UX / UI DESIGN — 02
Design — 木下スタジオ / 木下貴博(滋賀・琵琶湖)
思考の痕跡を、体験として展示する
— Overview
設計の過程が、作品になる。
手描きのワイヤーフレームを額装し、アート作品として展示する試み。UIの設計プロセスを可視化することで、デザインの思考過程そのものを体験として提示する。完成したプロダクトではなく、思考の痕跡を見せることで、デザインの本質に触れる展示を設計した。
— 01 課題
デザイナーの仕事は完成物だけで語られがちだ。しかし本当の価値は思考のプロセスにある。ワイヤーフレームは通常、クライアントへの説明ツールとして使われ、完成後は捨てられる。その「捨てられる思考」を作品として再定義することが、このプロジェクトの出発点だった。
完成品より、
思考の跡が正直だ。
デザインプロセスを鑑賞可能な形式に変換する
手描きの不完全さをどう美的価値に転換するか
額装というフォーマットがワイヤーフレームに与える意味の変化
— 02 設計
ワイヤーフレームに額を付けた瞬間、それは「作業物」から「作品」に変わる。鉛筆の線・消した跡・書き直しのメモ——それらすべてが思考の可視化であり、デザイナーの内側を覗く窓になる。展示の場において、訪れる人は「UIを見る」のではなく「設計する人間の思考に触れる」体験をする。
① 素材選定
手描きという選択
デジタルツールではなく手描き。線の揺れ・圧力の変化が思考の温度を伝える。
② 編集
何を見せるか
全ページを見せるのではなく、思考の転換点となった数ページを厳選して展示。
③ 額装仕様
フォーマットが意味を作る
白木の細いフレーム。過剰な主張をしない額が、内容を前に出す。
④ 展示構成
並びが物語る
課題定義→構造設計→詳細化の順に並べ、思考の流れを空間で体験させる。
⑤ テキスト
解説しない
キャプションは最小限。説明されなければ理解できないデザインは、設計が足りない。
— 核心
不完全が語る
完成されたUIより、途中のワイヤーフレームの方が、デザイナーの思想を正確に伝える。
— 03 成果
額装されたワイヤーフレームは、展示において「デザインとアートの境界はどこか」という問いを観客に投げかけた。UXデザイナーとしての思考プロセスを可視化することで、木下スタジオが「設計する」ことの意味を体験的に伝えることができた。
デザインプロセスを鑑賞可能なアートとして再定義
UXデザイナーとしての思考の深さをクライアントに伝える手段として機能
「引き算デザイン」の哲学を展示形式そのもので体現
— Studio
木下スタジオ(Kinoshita Studio)は、滋賀県・琵琶湖を拠点に活動するデザイナー木下貴博のスタジオです。Webデザイン・UX/UIデザイン・アートディレクション・グラフィックデザインまで、一人で設計から制作・ディレクションを一貫して担当します。
本案件は UIデザイン · UXプロセス設計 の仕事です。「届けたい体験と届いている体験のズレを揃える」を核心に、地域の企業・全国のクライアントのビジョンを体験に翻訳しています。