木下スタジオ 制作 道頓堀 屋台村 祭 ポスター:屋台村ポスター 01 — 体験の本質(抽象) 01 — 感覚 / Abstract
木下スタジオ 制作 道頓堀 屋台村 祭 ポスター:屋台村ポスター 02 — 体験(リアル) 02 — 体験 / Real
木下スタジオ 制作 道頓堀 屋台村 祭 ポスター:屋台村ポスター 03 — 体験したつもり(疑似) 03 — 疑似 / Pseudo

Art Direction / Poster Design — 道頓堀 屋台村 祭

「体験」と、
「体験したつもり」の差。

Design — 木下スタジオ / 木下貴博(滋賀・琵琶湖)

3枚構成ポスター / 体験設計 / 電車壁面展開イメージ
Osaka Yataimura — Experience Design Poster Series

— Concept / 全体コンセプト

現代は、スマホやSNSによって
"体験していないのに体験した気になる"
状態が増えている。

本ポスターでは、屋台というリアルな体験を題材にしながら、その"ズレ"を視覚的に表現している。 左から右へ展開する3枚の流れは、電車の壁面に飾られることを想定した横断的な体験設計だ。 見る人は左から右へ目を動かすことで、 「抽象(感覚)→ 具体(体験)→ 疑似(画面越し)」という認識の変化を無意識に辿る。

— 01 / Left

体験の本質

Essence of Experience

油・光・粒子などを抽象化したビジュアル。具体的な屋台の形は見せない。 「熱」「音」「匂い」といった体験の感覚のみを表現している。

— UX的役割

ユーザーの記憶や感覚に直接アクセスする導入。体験の"本質"は言語化できない感覚であることを提示する。

— 02 / Center

体験そのもの

The Real Experience

実際の屋台の写真。人・手・煙などリアリティのある情報を提示する。 大きな文字「おおさか / 祭り」が空間を支配し、場の空気感を伝える。

— UX的役割

抽象(左)と疑似(右)をつなぐ"理解の基準点"。「これが体験だ」という認識を確立させる。

— 03 / Right

体験したつもり

Pseudo Experience

スマホで見る行為、映像や画面越しの光。「できているつもりか?」という問い。 寒色系の光が体験の温度の低下を視覚化する。

— UX的役割

ユーザーに問いを投げ、自分ごと化させる。現代人の"疑似体験"を可視化し、再訪への動機を作る。

— UX Flow / 体験設計の構造

「無意識 → 理解 → 自問」という
体験導線を設計している。

Step 01 — 左パネル

感覚に触れる

Unconscious Trigger

「なんだこれ?」という直感的な興味。言語化できない感覚が、記憶の奥にある体験の残像を呼び起こす。

Step 02 — 中パネル

理解する

Recognition

「屋台か」と認識する。具体的な情報が抽象を解読し、体験のイメージが一気に立ち上がる。

Step 03 — 右パネル

疑問が生まれる

Self-Question

「自分は体験できているのか?」自分ごと化された問いが、実際に足を運ぶ動機へと変換される。

— Visual Design / 視覚的な設計ポイント

色・余白・侵食で
体験の差を可視化する。

— Temperature Map / 温度差の設計

左:体験の熱

暖色 / 油・光・粒子
熱・エネルギー・生

中:体験の現実

暖〜中間 / リアル写真
人・煙・食・場

右:疑似体験の冷たさ

寒色 / 画面・室内光
デジタル・距離・観察

"体験の温度差"を、色の温度差として視覚化した。左から右に向かうほど熱が失われていく。

抽象と具体のコントラスト

左:ノイズ・粒子
中:リアルな写真
右:デジタルの冷たさ

3枚それぞれが異なる「体験の質感」を持つ。抽象から具体へ、そして疑似へ。視覚言語の変化が認識の変化を導く。

侵食表現(オレンジの光)

左の熱が、右に
"うっすら侵入"する

体験は完全には消えず、無意識に残り続けることを表現。明確には見えないレベルで、記憶の残像として存在し続ける。

余白設計

情報を詰めすぎない。
解釈の余白を残す。

説明ではなく"気づき"を生む設計。見る人が自分の文脈で解釈できる空白を意図的に作っている。

文字の役割

コピーは説明ではなく
"思考のトリガー"

「体験せよ」は命令ではなく再認識。「できているつもりか?」は問答ではなく自問を促す装置として機能する。

— Copy / コピーの設計意図

体験せよ

命令形に見えるが、実際には"再認識"の促し。
「あなたはもう体験しているか?」という問いが内包されている。
動詞として語りかけることで、受動的な鑑賞を能動的な思考へ転換する。

できているつもりか?

自分への問い。SNSや動画で「見た」ことを「体験した」と誤認する現代への問いかけ。
見る人が自問することで、実際に足を運ぶ動機が生まれる。
問いかけの形を取ることで、押しつけがましくなく刺さる。

— Summary

「見るポスター」ではなく、
「考えさせるポスター」

— 01

情報を伝えるのではなく、
体験そのものを設計する

屋台の魅力を単に伝えるのではなく、"体験の価値"を再認識させる設計。広告ではなく、体験設計の実装物として機能する。

— 02

スマホ時代の疑似体験問題を
視覚的に問いかける

「体験したつもり」という現代的な課題に対して、視覚的に問いを投げかける。ポスターを見た人が自分自身の体験を問い直す契機になる。

— 03

見た人が自ら足を
運びたくなる導線設計

疑問が生まれ、自分ごとになり、行動へ。UX設計と同じ「無意識→理解→行動」の導線を、ポスターという媒体で実装している。

— Studio

木下スタジオ(Kinoshita Studio)は、滋賀県・琵琶湖を拠点に活動するデザイナー木下貴博のスタジオです。Webデザイン・UX/UIデザイン・アートディレクション・グラフィックデザインまで、一人で設計から制作・ディレクションを一貫して担当します。
本案件は 体験設計 · 大阪エリア の仕事です。「届けたい体験と届いている体験のズレを揃える」を核心に、地域の企業・全国のクライアントのビジョンを体験に翻訳しています。

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