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インターフェースの体験 — Framer

Windows 95的UIが持つ、ノスタルジーの体験構造

2025.09 Interface

旧ポートフォリオサイトを作り直すとき、私はあえて時計を巻き戻すことにした。Framer の上で、サイト全体を Windows 95 風のUIとして設計してみたのだ。ウィンドウ、ダイアログ、告知バナー——あの頃の画面を、もう一度立ち上げる。

出発点:なぜ古いUIをわざわざ選んだか

ポートフォリオは普通、最新の体裁で作る。けれど私は、見る人の記憶を動かす方に賭けてみたかった。Windows 95 のUIは、多くの人にとって「最初に触れたパソコン」の手触りそのものだ。タイトルバー、グレーのボタン、影付きのウィンドウ枠——それらは単なる装飾ではなく、操作の作法ごと記憶に刻まれている。その記憶を呼び起こすこと自体を、体験の中心に据えた。

設計:ウィンドウ・ダイアログ・告知バナー

Framer 上では、作品ひとつひとつを「開けるウィンドウ」として配置した。クリックするとダイアログが立ち上がり、画面の上には告知バナーが流れる。これらは1990年代に確立された古典的なUIパターンだが、それを現代のブラウザの上で、なめらかなアニメーションとともに動かした。古い文法を、新しい身体で語り直す感覚だった。

木下スタジオ(木下貴博 / 滋賀)体験研究:Framer で組んだ Windows 95 風ポートフォリオUI
— Framer / Windows 95-style Portfolio

観察:懐かしさが「新鮮さ」に転じる

面白かったのは、見た人の反応だった。当時を知る世代は「懐かしい」と言った。だが、Windows 95 を知らない若い世代は、まったく違う言葉を返してきた。彼らにとってこの画面は過去ではなく、見たことのない新しい様式だったのだ。同じUIが、受け手の記憶の有無によって正反対の感情を生む。

同じ画面が、ある人には「懐かしさ」を、別の人には「新鮮さ」を返す。
——UIの意味は、画面の中ではなく、見る人の側にある。

学び:インターフェースの文脈依存性

この実験で確かめられたのは、インターフェースの意味は文脈に依存するということだ。デザインそのものは固定されていても、それがどう受け取られるかは、見る人がどんな時代を生きてきたかで変わる。「良いUI」を普遍的な正解として語るより、誰のどんな記憶に接続するのかを問うほうが、ずっと豊かだと感じた。Framer はその問いを手早く形にするのに、ちょうどいい道具だった。

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