ポスターの「らしさ」は、色にあるのか、骨組みにあるのか。斜めに3つに割り、網点の写真を三角に積み、右に面、右下に帯。この組み方を固定し、色も言葉も題材も替えた3案を作った。並べると、3案は同じ1枚に見える。色を替えても、骨組みは隠れない。
この研究を一言でいうと──ポスターの身元を決めているのは色か割り方かを、作り直して検証した記録。
仮説:色を替えれば別物になる
仮説は、色を替えれば3案は別の顔になる、だった。紺と生成りと青の帯をやめ、藍・緑・朱の3色に替えた。題も、博物館の企画展に替えた。結果は逆だった。並べた3枚は、すぐに1枚に重なる。人が最初に見るのは色ではなく、画面がどう割られているかである。
捨てた4つ
| 固定していた割り方 | 代わりに置いたもの |
|---|---|
| 斜めに3つに割る | 割らない。地は1色 |
| 網点の写真を三角に積む | 網点の写真を縦に積んだ柱(角を丸く) |
| 右の面と、右下の帯 | 右は縦の題字だけ。差し色は日付と目盛りに |
| 左の大きな縦の英字 | 上に横の極細の英字を1行 |
4つとも、その組み方をその組み方たらしめている所である。1つでも残すと、そこから全体が思い出される。
骨組みは題材から
題材は湖の底の地層だった。湖の底からは、泥を柱の形で抜いて調べる。その柱をそのまま画面の真ん中に立てた。網点の写真を6段に積み、段の切れ目を層に見立て、左に深さ(年代)の目盛りを付けた。三角や面を使わなくても、網点の手触りは残った。残したのは、網点という肌理だけである。
変えていいもの、題材から作るもの
- 使い回せるのは肌理。網点、粒、字の太さ、紙の色。
- 使い回せないのは割り方。画面をどこで切り、どこに面を置くか。割り方がポスターの身元になる。
- 色を替えて似ていたら、色の問題ではない。骨組みを疑う。
- 骨組みは、題材が持っている形から探す。柱、帯、層、輪。
いま組んでいる画面から割り方を消したら、何が残りますか。
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