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視覚の体験 — Poster Study

邦画の縦ポスター81枚を測る

2026.10 Measure / Type

日本の映画ポスターは、文字と色をどう置いているのか。好みで語ると話がぶれる。だから画素から出てくる決まりだけを拾う。母集団は、公開されている邦画のポスター222点。そのうち縦位置で400px以上の81枚を、機械で測った。ポスターの画像はここには載せず、測った数字だけを置く。

この研究を一言でいうと──映画ポスター81枚を画素で測り、組むときの決まりを数字で拾った記録。

邦画の縦ポスター81枚の実測。明るさの配分は暗い22%、中間39%、明るい38%。いちばん多い色は赤43%、桃17%、橙11%、水15%、空6%
— 81枚の明るさの配分と、いちばん多い色
母集団について。81枚は全222点の36%で、暗く、赤く、縦長な側に寄っている。全222点で測り直すと、明るい地(明度の中央が60超)が59%、赤・桃・橙が最多の作品は52%だった。下の値はポスターを組むときの値で、ロゴやパッケージには当てはまらない。

黒があるかどうか

彩度55を超える画素、明度25%未満の画素、残り。この3つに塗り分けて数えた。81枚の中央値は次のとおり。

暗い 22%中間 39%明るい 38%

画面のおよそ5分の1が暗部になっている。自分の作った青い型のポスターを同じ物差しで測ると、暗部は0%だった。淡くて眩しい題なので狙いとしては合っているが、重さを出したいなら黒を入れるところから始まる。「それらしく見えない」と感じたとき、原因は色相でも彩度でもなく、黒が無いことが多かった。

彩度は地と頂点の差でできている

地の彩度(中央値)頂点(98%点)差
81枚32.987.054
自分の型19.070.351

差はほぼ同じだった。全体を濃くしているわけではない。地は中くらいに濁らせ、面積13%ほどだけを振り切る。

赤の世界

1枚ごとに、いちばん多いはっきりした色を数えた。

赤 43%桃 17%橙 11%水 15%空 6%その他 8%

赤・桃・橙で71%、水と空で21%。青系は少数派になる。いちばん多い色相が画面の色の60%以上を占める作品が、81枚中43枚(53%)あった。半分はほぼ一系統の色で組まれている。

その他の実測値

25%中央75%
地の彩度(中央値)13.332.944.4
彩度の98%点67.787.094.4
明度の中央値41.662.484.3
暗部(明度25%未満)8.5%20.9%31.7%
はっきりした色(彩度55超)2.0%13.1%24.0%

はっきりした色を縦のどこに置いているか(面積の中央値)。

上 1/310.04%
中 1/311.86%
下 1/37.38%

中央がいちばん濃く、下がいちばん薄い。下はクレジットや日付の場所なので空けてある。

判型は、縦横比1.41が44枚、1.42が22枚。81枚中66枚(81%)がB判かA判の比率だった。迷ったら 1:1.414 にする。

文字の置き方

数字とは別に、81枚を並べて見て取った決まり。

書体:題字は作る、脇は揃える

映画の題字は、ほぼ全部がその作品のために作られた字だった。既製の書体を探しても見つからない。既製の書体が要るのは脇の方になる。

場所書体の目安
キャッチコピー(縦組み1行)明朝の細〜中
出演者の名前(横並び)ゴシックの中〜太
スタッフクレジットゴシックの細、7〜9pt
日付・ROADSHOW欧文サンセリフ、または和文ゴシックの太

脇が揃っていないと、題字が良くても素人っぽく見える。手元の書体を同じ大きさで描いて並べると、ゴシックはヒラギノ角ゴの W0〜W9 で10段あるのに、明朝は2段しかなかった。太い見出し用の明朝は macOS に標準で入っている。足りるかどうかは、実際の1本で判定する。

まとめ

あなたが最近組んだ1枚には、画面の5分の1ほどの黒がありますか。

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