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視覚の体験 — Breaking the Pattern

均一にかけると機械の絵になる

2026.10 Texture / Halftone

全面に均一にかけた版は、機械が一回で出した絵に見える。網の型を原寸で並べて検証すると、手で作られた版は同じ処理の中に必ず変化を入れている。左から右へ色味を変える。丸の黒い部分も同じ形を並べない。単純に見えない作り方を、3か所で測った。

この研究を一言でいうと──全面にかける処理に崩す軸を1つ足して、機械が一回で出した絵から抜ける記録。

網点の黒を全面同じにした版と、左を緑がかった灰、右を黒にした版を上下に並べた図
— 網点の黒を左右で変える(図)

手で作られた版が崩している3か所

処理均一にかけると手で作られた版の崩し方
網点全部おなじ黒。コピー機の出力左が緑がかった灰 #3f574c、右が黒 #293230。左右で色が変わる
目の中の丸同じ形を色ごとにずらす。版ズレの見本になる黒丸6個の大きさと位置がばらばら。1個ずつ違う色の円が、中心をずらして重なる
文字書体を置くだけ縦を78%に潰す。字が横に詰まって、重く強くなる

どれも手間としては小さい。それでも「単純ではない」印象が出る。

同じものが2つあるときは、同じに作らない

球の型で検証した。同じ関数に同じ値を渡して2つ作ると、同じ球が2つ並ぶ。だが球は角度で見え方が変わる。2個の球が同じことはない。実物の2つは、次の4点で別物である。

上の球下の球
材質不透明(鏡)透明(ガラス)
角度見下ろす横から
構造—周りに輪がある
光2つ3つ

角度・材質・構造を引数にして、同じコードから別の物が出るようにした。処理だけでなく、物の個体差も要る。

網点の黒にだけ色を載せる

質感は文字にもかける

印刷物の文字は網点になっている。文字を置いてから網にかけるからだ。きれいなベクターの字が上に乗っていると、そこだけ別の紙に見える。文字のまとまりを1枚にしてから質感をかける。ロゴも同じ。絵に質感、文字は素のまま、がいちばん見破られる。

粒は、形より隙間で効く

鋳 CHU に粒の形を足したとき、円でも星でも段でも、ほとんど同じ絵になった。粒が重なって並んでいると、形は外側の輪郭にしか出ない。中の形は塗りに飲まれる。同じ字・同じ升目で、はみ出しだけを変えて測った。

円・星・段の3種の粒を、はみ出し1.42、1.00、0.70で並べた図。1.42ではどれも同じに見え、0.70では形の違いがはっきり出る
— はみ出し(粒の大きさ ÷ 升目)だけを変えた図
はみ出し円・星・段の差
1.42(升目が隙間なく埋まる倍率)ほぼ同じ
1.00(粒が接する)星がはっきり星に見える
0.70(粒が離れる)完全に別の書体

質感を足すとき、増やすべきは形の種類ではない。粒どうしの関係である。間隔、大きさの散らし、重なり方。重なったまま濃さを効かせても網にはならず、にじみになる。濃さの段階が2〜3しか出ないので、網点として読めない。

全面の処理を入れるときの原則

いま手元にある全面の処理には、崩す軸がいくつ入っていますか。

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