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視覚の体験 — Painterly

「絵画的」は平らな面と消去

2026.10 Photoshop / Color

写真を絵画に見せる。言葉にすると簡単だが、定石どおりの仮説は二度とも外れた。狙いの画面を測ると、定石の反対が出た。絵画に見える手順と、「絵の具のような色合い」の中身を、外れた数字ごと示す。

この研究を一言でいうと──写真を絵画に寄せる手順と色合いを、画素を測って言葉にする記録。

狙いの画面と最初の仮説の版の明度と彩度を、主役の顔、巨大顔の肌、3人の顔の3か所で比べた棒グラフ
— 「絵の具のよう」を同じ場所で測る

外れた2つの仮説

正体は5手。順番が全部

計算で作った模様に、面を平らに、境に縁、中にムラ、消去の4手を順にかけた模式図
— 絵画に見える手順(模式図。元は計算で作った模様)
何をするか効く数字
① 面を平らにぼかさずに領域に割り、その中を1色にする。領域は自分の色のまま局所σ 8.6 → 1.4
② 境に縁領域の境だけを、暗く(または白く)細い線にする輪郭が残る
③ 中にムラ低い周波の斑と、細かい粒。無いと機械の絵色数 5 → 1000
④ 消去大きい領域をいくつか選び、暗い1色で潰すフィルターと絵画の分かれ目
⑤ 繰り返す①〜④を、処理済みの絵にもう一度。2〜3周で写真から離れる彩度 99 → 145

彩度は落ちずに上がる。足すより、捨てる場所を選ぶのが絵画である。消去と繰り返しが無いと、ただの切り絵のフィルターで終わる。フィルターをかけ、消去し、繰り返し編集する。この3つで一組である。

測る物差しは4つ

色数(8段に量子化して数える)、面の平らさ(5×5 の局所σの中央値)、輪郭(勾配の上位1%)、彩度。この4つで、絵画に寄っているかが出る。

色数平らさ輪郭彩度
対象 時計8586.8022259.4
対象 菱形12361.36157106.5
元の絵7268.6311275.8

同じ本の中には、もう1つ別の操作もあった。形から距離を出し、等高線ごとに色を当てる。黒、緑、赤、黄土の同心の帯に、白い細い縁。平らさ 1.36、彩度 106 で、輪郭は弱い。こちらは①〜⑤とは別の道具になる。

「絵の具のような色合い」は明度の幅

「まるで絵の具のような、描いたような色合い」を狙う版で、定石どおり彩度を上げ、影を青緑に、光を暖色に寄せた。画素を測ると、答えは真逆だった。

測った場所狙いの画面定石の版
主役の顔明度 174・彩度 0.321・色相 34°明度 38・彩度 0.824・色相 152°
巨大顔の肌明度 184・彩度 0.104明度 89・彩度 0.918
3人の顔明度 171・彩度 0.290明度 20・彩度 0.918

狙いの画面の顔の明度は、5%点が 18、95%点が 197。暗部だけ深く締まって、顔の面は明るく飛ぶ。中間は潰さない。色が付いているのは髪と服だけで、肌は肌色のまま。人物まるごとに色を掛けると肌まで染まり、絵ではなく着色した写真になる。

引きすぎると、今度は灰色の霧になる。彩度を -68 まで引いたら、背景の大きな顔が彩度 0.144 のシアンになった。目標の同じ場所は彩度 0.445 の紫だった。

空気は背景に、主役と字ははっきり

主役にも空気を 1.0 着せたら、人が光に飲まれて消えた。にじみやハレーションを足すと、顔のばらつきは 23 から 16 まで潰れた。馴染ませるつもりが、消していた。明るさの平均では光と顔を見分けられないので、顔の帯の標準偏差で見る。人が入っていれば 24〜45、消えていると 10 ほどになる。

次に「絵みたいに」と言われたら

あなたが「絵みたいだ」と感じる1枚は、明度の幅がどれくらいありますか。

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