コンクリートの壁、人物、蛍光の緑青の板。素材を並べて版面を組むと、左下の板だけが合成した感じを強く出す。周りをぼかすか、同じ色に合わせるか。手を動かす前に、まず測る。
この研究を一言でいうと──合成感の正体を彩度と白点まで絞り込み、測ってから直す手順。
測った値
| 平均の色 | 彩度 | 明度 黒 / 中 / 白 | 粒 | |
|---|---|---|---|---|
| 蛍光の板 | rgb(118,170,157) | 175.6 | 115 / 141 / 191 | 4.75 |
| コンクリ | rgb(171,182,192) | 29.7 | 130 / 177 / 233 | 5.12 |
- 彩度が5.9倍違う。合成感のほとんどはここで決まる。
- 白点が違う(191と233)。一番白い所の明るさが揃っていないと、同じ紙に刷られた2枚に見えない。地味だが効いている。
- 粒はもう合っていた(4.75と5.12)。
だから、ぼかしても消えない
粒が合っている相手をぼかすと、「貼った物をぼかした」ように見えて、かえって浮く。ぼかすか、色を合わせるか。正しいのは色を合わせる方である。
当てた順と、効き
| 何をしたか | 彩度 | 明度 黒 / 白 | |
|---|---|---|---|
| ① | いま | 175.6 | 115 / 191 |
| ② | 彩度を0.30倍 | 73.7 | 89 / 215 |
| ③ | +白点を背景へ | 60.8 | 111 / 225 |
| ④ | +色も背景へ寄せる | 45.9 | 113 / 229 |
④まで行くと、同じ日に同じカメラで撮った2枚に見えた。背景と同じ29.7までは落とさない。6割ほど寄せた所で止める。落とし切ると板が消えて、ただの汚れになる。
Photoshop の手順
- 背景を複製して強くぼかし、板に描画モード「カラー」でクリップする。
- レベル補正を板にクリップする。出力レベルに目標の値をそのまま入れない。0〜255の全域を押し込む数字なので、板の中のばらつきまで消えてしまう。
- 背景の光が縁へ回り込むライトラップを、内側に数pxだけ。
- 影は付けない。床に置いた物ではなく版の上の面なので、影を付けると嘘になる。
もう1つの道:馴染ませずに言い切る
この絵はもともと版面だ。だから馴染ませる反対に、「これは貼った面です」と言い切る手もある。中途半端に見えるのは、写真として馴染んでもいないし、面として言い切ってもいないからだ。どちらかに振れば消える。
この版では言い切る方を選んだ。次の版で、版面全体を同じ蛍光の処理に通した(黄の地と青)。比べる相手がいなくなったので、合成感そのものが無くなった。
| 面積 | 彩度 | 明度 | |
|---|---|---|---|
| 黄の地 | 70.5% | 171.7 | 191 |
| 青 | 6.9% | 179.4 | 115 |
| 人物 | 3.7% | 38.1 | 198 |
黄の明度は191で、白との差が64しかない。白い字は乗らない。黒(差191)か、地の青(差76)を使う。字に青を使えば版の中は2色のままで済み、あとから足したようには見えない。次に浮くのは、元の写真の彩度のまま残っている人物になる。狙いならそれでいい。
「浮いている」ときの診断順
まず3つ測る。彩度、白点、粒。
- 彩度が違うなら、色を6割寄せる。
- 白点が違うなら、レベル補正で揃える。出力レベルの入れ方に気をつける。
- 粒が違うなら、そこで初めて粒を合わせる。粒が合っているのにぼかすと逆に浮く。
あなたの版面で浮いている素材は、彩度、白点、粒のどれがずれていますか。
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