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視覚の体験 — Cover Art

道具で作るジャケット

2026.10 Visual / Tool

自作の画像の道具は30本ほどある。粒、刷り、伸ばす、ぼかす。道具の実力は、単体ではなく1枚の仕事に通したときに出る。レコードのジャケットを題にして、道具を順に通した。2026年10月8日に24枚、翌日に字だけで組んだ3枚を足した。

この研究を一言でいうと──層の分け方を先に決めて、自作の道具を順に通し、ジャケットを27枚組んだ記録。

決めごと:全部を同じ層の分け方にする

大きさは3000×3000px、RGB。PSDの層は全部同じ順にした。上から、文字(打ち替えられる)/紙の質感(オーバーレイ・強さは不透明度)/帯の線と帯/粒(スマートオブジェクト)/地(色の塗りつぶし)。

こうしておくと、道具を替えても「粒」の層を差し替えるだけで済む。地の色はダブルクリックで変えられる。文字は Avenir Next DemiBold Italic に揃えた。道具の設定はほぼ初期値のまま使っている。

粒の密度で流れる筋を描いた一面のジャケット試作。上下の帯に大きな文字
01 一面の粒 — 流れる筋(大きな文字の版)
粒の濃淡で雲を描いた、淡い青のジャケット試作
02 一面の粒 — 雲の濃淡
橙と黒の粒で同心の波紋を描いたジャケット試作
03 一面の粒 — 波紋
縦縞の粒でできた惑星を版面いっぱいに寄せたジャケット試作
04 シルエット — 惑星(寄りの版)
生成りの地に黒い粒でアーチの形を置いたジャケット試作
05 シルエット — アーチ
生成りの地に刷りの質感で目の形を置いたジャケット試作
07 刷り — 目(墨)
生成りの地に朱の刷りで鳥の形を置いたジャケット試作
08 刷り — 鳥(朱)
暗い地に蛍光ピンクの粒で鳥の形を光らせたジャケット試作
10 光る粒 — 鳥
暗い地に蛍光グリーンの粒で波の形を光らせたジャケット試作
11 光る粒 — 波
惑星のシルエットを縦に引き伸ばし、3つの楕円に分けたジャケット試作
13 伸びる — 惑星
雲の一面を横の帯に割ってぼかしたジャケット試作
17 帯 — 雲の濃淡
暗い地に灯りを透かした紙のような白い面を置いたジャケット試作
19 灯の紙
黒い地に膜を張ったような生成りの面と目の形を置いたジャケット試作
20 膜 — 目
グレーの地に虹色の立体的な帯と VOID の文字を置いたジャケット試作
22 押 — VOID
青い地に白い粒で同心円を描いたジャケット試作
23 礫 — 輪

一面の粒(01〜03)

流れる筋、雲の濃淡、波紋の3枚。上下の帯に文字を置き、間を粒で埋めた。

粒の道具 TSUBU は、写真を「形かどうか」の2値にする。濃淡のある一面には向かない。そこで同じ 8bit のドットの考え方で、明暗を粒の密度に置き換える網を別に作った。

1回目は文字が大きく、惑星も寄っていた。並べると、その版の方が強い。上書きで消していたので作り直し、「大きな文字」の版として別に残した。01と04がその版になる。

シルエット(04〜06)

惑星、アーチ、山と太陽。TSUBU の「写真から形を作る」で形を起こした。最初は人の立ち姿を入れたが、細い人の形は96粒では潰れてしまう。アーチに替えた。

刷りと光る粒(07〜12)

刷りは、版画の道具 NATSU で5回刷った中の1回を使った。目は墨、鳥は朱、波は紺。紙の色を地にして、刷りの層は地なしで重ねている。

光る粒は、同じ形を TSUBU の「蛍光」「毒」「FC」のパレットに通したもの。形は刷りと共通で、色と光り方だけが違う。

伸びる・帯(13〜18)

文字を外したシルエットを、引き伸ばす道具 HIKI に通したのが「伸びる」。一面の粒を、横の帯に割ってぼかす道具 OBORO に通したのが「帯」。6枚とも似た調子に落ち着く。調子を揃えたい連作には、この2本が向く。

変わった道具(19〜24)

灯の紙(KASA)、膜(MAKU)、押(OSHI)、礫(TSUBUTE)、霧(KIRI)。PSD の「粒」の層には、道具の書き出しをそのまま入れた。KASA の灯の印や MAKU の字のかけらも、書き出しのまま残している。

字だけの3枚(10月9日)

絵を使わず、字だけでジャケットを組んだ。

SLOW MOTION IN THE HEAT の文字を行ごとに伸び縮みさせ、ピンクで版面いっぱいに組んだジャケット試作
A 伸び縮みする字
ECHO の文字を中心から放射状に並べ、レコードの溝のような渦にしたジャケット試作
B 渦の字
大きな数字の8と黄色い円、青い矩形、日程の表を格子に組んだジャケット試作
C スイスの格子

結果:層を先に決めれば、1日で24枚組める

層の分け方を先に決めておいたので、24枚を1日で組めた。道具の書き出しを「粒」の層に入れ替えるだけで、次の1枚になる。

もう1つ。外れに見える版を消さない。文字を大きく取った版は、並べるとそちらの方が強い。

あなたなら、どの道具を1枚目のジャケットに通しますか。

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