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文字の体験 — Legibility

「読めそうで読めない」は、欠けていない字から作る

2026.10 Typography / Lettering

速く書いた3字をロゴに据える。狙いは、読めそうで読めない手前の状態だ。測ると、1字目の上の画が無かった。読めなさの正体は崩し方ではなく、紙の縁で字が切れていたことだった。その数字と、書き直しの手順を示す。

この研究を一言でいうと──崩した字の「読めなさ」が、崩し方ではなく紙の縁から来ていたことを測った記録。

横長の紙に書いて上下が切れた3字と、縦長の紙に書き直して全部入った3字を左右に並べた比較
— 左=横長の紙/右=縦長の紙

候補の字は、欠けていた

3字とも、下の画が紙の下の縁にぴったり付いていた。1字目は上の点と横画が無く、2字目は下の口が途中で切れ、3字目は左右の脚が途中で止まっていた。読めなさの半分は、崩し方ではなく欠けだった。欠けた字は、読む人の頭の中でも補えない。

原因は紙の形

3字それぞれの、紙の縁に触れる墨の画素数と見えている字の高さを、横長の紙と縦長の紙で比べた棒グラフ
— 縁に触れる墨の画素と、見えている字の高さ
縁に触れる画素見えている字の高さ線の太さ
横長の紙(1600×1067)46〜145285〜318 px9〜15 px
縦長の紙(2000×3000)0975〜1087 px17〜24 px

縦に長い字を横長の紙に大きく書くと、紙の高さが足りず、上下が外へ出る。紙の外は描かれないので、画は黙って消える。縦長の紙に替えると、3字とも縁に1画素も触れなくなった。

紙を広げると、線が細く見える

紙を大きくすると、同じ設定でも字に対して線が細くなる。書き直した最初の版は、軽くて別の字に見える。線の幅を 60 から 110 に上げて、前の重さに戻した。紙を替えたら、線の幅も一緒に見直す。

「読めそうで読めない」の作り方

あなたが「味がある」と感じた字は、全部の画がそろっていますか。

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